今週のメッセージ 2009.11.1

共に生きる

 

神は御自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。男と女に創造された。」(旧約聖書・創世記1:27)

 

テレビ、新聞等の報道でご存知のとおり、先々週の24日、伊豆諸島の八丈島沖で第1幸福丸という漁船が転覆する遭難事故が発生しました。台風の影響で海が荒れていてあっという間の出来事だったようです。

しかし、なんと4日間(約90時間)の漂流を経て3人の方が救出されたのです。彼らは船内の居住区に閉じ込められた状態で発見されました。高さ1・7b、幅2・9b、奥行き2・2bの狭い空間に、転覆のため床と天井が逆さになった中で、3人身を寄せ合うようにして横並びになっていたそうです。居住区内に空気があったことが幸いしたのです。

救出された3人の中の宇都宮さんという方の語られた言葉がとても心に残りました。彼は言ったのです、「1人だったらダメだった。3人だから生きられた」。約90時間という長時間だったわけですが、起きている間は互いに「頑張ろう」などと声をかけ合い、励まし合ったそうです。

わたしたち人間は、普段、他者と一緒にいることが時にはうっとおしくなったり、煩わしくなったりします。そして人を避けたり、ひとりの時間を求めたりします。しかし、それもこれもいざとなったら、また一緒にいられるという前提があってのことです。

冒頭の聖句が語っているように、創造主は最初から人を「共に生きる」存在として造られました。「男と女」はあらゆる人間関係の核になるもので、共に生きる存在であることを示しているのです。この度の極限状況の中で、3人の方は人間存在のまさに原点を体験されたのではないでしょうか。