今週のメッセージ 2009.11.8

愛という帯

これらいっさいのものの上に、愛を加えなさい。愛は、すべてを完全に結ぶ帯である。」(新約聖書・コロサイ3:14)

 

先週は「共に生きる」という主題で記しました。今週は「共に生きる」者同士を結ぶ“愛という帯”について考えてみましょう。

昨日はうちの教会で結婚式がありました。来週もまた土曜日にもう一組の結婚式が予定されています。結婚式のテーマは何と言っても愛です。

恋愛中のカップル、結婚して間もないカップルたちは、自分の中に湧き出て止むことのない愛の源泉があるように思っていることでしょう。しかし、人間の愛は案外当てにならないところがあります。“あばたもえくぼ”だったカップルがいつしか“えくぼもあばた”になりかねません。

『愛するということ』を書いたエーリッヒ・フロムは、「愛は、誰でもが、自分の人間としての成熟の度合いと関連なしに、手軽に耽溺できるような感傷的なものではない」と言います。そして、「われわれのあらゆるエネルギーは、成功、威信、金、力というような目標をいかにして入手するかを学ぶために用いられ、愛する技術を学ぶためには少しも用いられていないのである」と指摘しています。

 しかし、フロムが言うように、愛は技術者が技術を身につけるように自らの努力で学ぶことは出来ません。なぜなら、人間は自分の中に真の愛はないからです。「愛は神から出たものなのである」(Tヨハネ4:7)と聖書は語り、さらに、神は愛である」(同8節)と宣言しています。共に生きる者同士を結ぶ愛という帯は、その源泉を自己の中にではなく神の内に持つのです。先ずは神と結ばれることが先決なのです。