今週のメッセージ 2009.11.22

マリッジ・リング

 

先々週のこのコラムに記しましたが、わたしたちの教会で第1と第2土曜日に結婚式が行われました。キリスト教の結婚式では、神と人(証人)の前で結婚の約束を交わす誓約が中心となります。そして、その制約のしるしとしてマリッジ・リング(結婚指輪)の交換が行われます。(誓約が要ですから指輪の交換自体は副次てきなもので不可欠な要素ではありません。)

ところで、指輪を左手薬指にはめるのは古代エジプトからなされていたようです。当時、“愛の血管”は心臓から直接左手薬指に通じていると信じられていたようで、故に左手薬指は“指輪の指”として神聖視されていたとのことです。その後、この風習がローマに伝えられ、愛する女性に指輪を贈ることが変わらぬ真心の現われと考えられるに至ったとのことです。そしてやがてそこからエンゲージ・リング(婚約指輪)やマリッジ・リングが出てきたというわけです。

婚約指輪は台所仕事や洗濯仕事の時にははずすことがあります。しかし、結婚指輪は式のときにはめたら生涯はずさないことになっています(現代にあっては簡単にはずしてしまう風潮が増えてきましたが)。従って式の時には婚約指輪ははずしておき、結婚指輪をはめた上からはめるようにします。故に牧師は、婚約指輪のケースは当人たちに返しますが、結婚指輪のそれは返さないことになっています。

いずれにせよキリスト教においては、言葉を以って交わす約束が非常に重いものとして位置づけられているのです。

「神が結び合わせてくださったものを、人は離してはならない。」

(新約聖書・マタイ19:6b)