今週のメッセージ 2010.3.28

戦捷木

 

表題「戦捷木」は“せんしょうぼく”と読みます。(知ったかぶりしてすみません。)「ナツメヤシ」と呼ばれる木の別名で「棕櫚」とも呼ばれます。

なぜこのような表題を掲げたかというと、実は、本日はキリスト教会暦では「棕櫚の主日」と呼ばれる特別な日だからです。

新約聖書・ヨハネによる福音書の12章に以下のような記述があります。

その翌日、祭りに来ていた大勢の群衆は、イエスがエルサレムに来られると聞き、なつめやしの枝を持って迎えに出た。(12,13節)

 エルサレムに入城された主イエスを、大勢の群集がなつめやし(棕櫚)の枝を振って歓迎したという故事に因んで本日が「棕櫚の主日」と呼ばれているわけです。

 主イエスのエルサレム入城は十字架の死を目指すものでした。しかし、人々はそのようなことは夢想だにせず、あたかも凱旋将軍を迎えるかのごとく「戦捷木」を振ってイエスを迎えたのです。

 先の引用に続いて14節には次のように記されています。

  イエスはろばの子を見つけて、お乗りになった。

 主イエスはさっそうと軍馬にまたがる凱旋将軍のようにではなく、ろばの子に乗ってエルサレムに入られたのです。その4日後の夕には逮捕連行され、その翌日、十字架に磔にされたのです.

 人々は、主イエスに支配国ローマからユダヤを解放する政治的武力的王を期待しました。しかし、主イエスは十字架の死と三日目の復活を以って、わたしたちに“罪と死の滅びに対して勝利をもたらす王”として来られたのです。子ろばでの入城をそのことを象徴しているのです。