今週のメッセージ 2010.04.04

復活の希望

 

昨日の朝日新聞の『声』という読者の投稿欄に、16歳の高校生の方の文が掲載されていました。それは4年前に亡くなった彼女の叔父さんの死に端を発したものでした。それまでは特に死を身近に感じなかったといいます。しかし、病気で目と足が不自由になった叔父さんが、彼女の家に同居するようになり、やがて心筋梗塞のために4年前に亡くなったのです。自分より人を思い遣る、とても優しい人だったそうです。

初めて身近な人の死に接して彼女が感じたものは恐怖感ではなく、言葉にならない喪失感、心にぽっかりと穴が空いたような寂しさに襲われ、いつもと同じように笑い、眠っても、涙が止まらなかったといいます。もう二度と会えない「死」の意味を知ったと記されていました。

確かに死は、かけがえのない人同士の、かけがえのない関わりの絆を有無を言わせず断ち切ります。そしてその絆は永遠に失われたかに見えます。しかし、果たしてそうなのでしょうか?

『復活の章』として知られる新約聖書の「コリントの信徒への手紙第1」の15章に次のような1節があります。

「しかし、実際、キリストは死者の中から復活し、眠りについた人々の初穂となられました。」(20節)

本日はこのイエス・キリストの復活を記念するイースター(復活祭)です。キリストの復活は、わたしたちが、死の原因となっている罪と、それのもたらす死そのものに勝利する道を開いたのです。わたしたちは一人の例外もなく、やがて眠り(死)につきます。しかし復活の希望が与えられているのです!キリストはその初穂となられたのです!死によって断ち切られない絆の回復の道が開かれたのです!ハレルヤ!