今週のメッセージ 2010.5.30

続・聖霊のお働き

 

先週、その日を記念して礼拝が献げられた「ペンテコステ」の出来事は新約聖書の使徒言行録2章に詳しく記されています。そこで、どうしても聖霊のお働きを使徒言行録の記述に基づいて把握しようとしがちです。

もちろん使徒言行録は聖霊のお働きを記述していますが、広範多岐にわたる聖霊のお働きは、使徒言行録一書ではカバーし切れないことは言うまでもありません。

先週も記しましたように、使徒言行録は聖霊のお働きによるキリストの福音の広まり、即ち、聖霊のいわば横のラインに関する部分を中心的に取り上げていると言えるでしょう。しかし、聖霊のお働きには神と人のいわば縦のラインに関するお働きも、もう一方の重要なお働きとしてあるわけです。

使徒言行録をみると、主イエスが昇天される時点では、使徒達は、「主よ、イスラエルのために国を立て直してくださるのは、この時ですか」(16)と的外れな問いを発しています。しかし、それから10日して聖霊が降臨されると、その折のペトロのメッセージにおける主イエスの救いに関する理解は大きく変化していることがわかります。彼は、「悔い改めなさい。めいめい、イエス・キリストの名によって洗礼を受け、罪を赦していただきなさい」(238と語り、主イエスの救いの理解が国の復興から罪の赦しへと大きく変えられているのです。まさに「その方、すなわち、真理の霊が来ると、あなたがたを導いて真理をことごとく悟らせる」(ヨハネ1613という聖霊のお働きが顕されています。『ヨハネによる福音書』のペンテコステを記す(202122)同福音書が14−16章に記している聖霊の縦のラインのお働きにも大いに注目すべきであります。