今週のメッセージ 2010.6.6

教会堂は何のための場所?

 

教会堂は何のための場所?そんなことわかりきっているではないか。礼拝をする場所だよ。確かにその通りなのですが、では礼拝する場所とは具体的に何をする場所でしょうか。

旧約聖書の歴代誌下2:5bに次のように記されています。

「神殿はただ主の御前に香をたくためのもの...。」(U歴代誌2:5b)

これは、ダビデから王位のバトンを引き継ぐと共に神殿を建立することとなったソロモンが語っている言葉です。彼は一方においては、偉大な神をお納めする建物などあり得ないことを思い、また、他方においては、主の神殿を建立する任務を担おうとしている自分は一体何者であろうかとその小ささを思って吐露している言葉です。従って「ただ」というのは決して神殿の価値を低く見て言っているわけではありません。

そのことを理解した上で、神殿が「香をたくためのもの」と言われていることに注目しましょう。

「香をたく」とは「祈り」と結びついているものです。ヨハネの黙示録に、「この香は聖なる者たちの祈りである」(5:8)、また「香の煙は、...聖なる者たちの祈りと共に神の御前へ立ち上った」(8:4)と言われていることからわかります。つまり神殿は祈りと密接に関連する聖なる場なのです。

このことは、新約時代の教会の礼拝堂においても同じです。礼拝堂は聖なる祈りの場であります。とかくプロテスタントの礼拝の中心はみ言葉(説教)だといわれます。確かにそうなのですが、み言葉も、それに対する真実な応答の祈りがあってこそ、それは真の礼拝となるのです。「祈り」という香の煙を天にまで立ち上らせる礼拝を献げましょう!