今週のメッセージ 2010.8.8

キリストの系図から聞こえてくるメッセージ

 

先週、『マタイによる福音書』の最初に出てくるイエス・キリストの系図に言及しました。そこで今週は、初心者には一見、無味乾燥に見える系図から聞こえてくるメッセージについて記してみましょう。

書き出しは、「アブラハムの子ダビデの子、イエス・キリストの系図」(1:1)です。これは系図のタイトルとも言えます。まず、このタイトルがすばらしいメッセージを持っています。

アブラハムとは、紀元前2000年頃の人物でイスラエル民族の祖と言われる人です。ある時、神が彼に語りかけられました。「あなたは生まれ故郷/父の家を離れて/わたしが示す地に行きなさい。わたしはあなたを大いなる国民にし/あなたを祝福し、あなたの名を高める/祝福の源となるように。...地上の氏族はすべて/あなたによって祝福に入る」(創世記12:1-3

そこでこのタイトルは、神がアブラハムに対して約束された「祝福の源」「地上の氏族はすべてあなたによって祝福に入る」が、実にイエス・キリストによって実現しましたと語っているのです。

ダビデは紀元前1000年ごろ実在したダビデ王朝の初代の王です。ある時、神は彼にナタンという預言者を通して次のように語りかけられました。「あなたが生涯を終え、先祖と共に眠るとき、あなたの身から出る子孫に跡を継がせ、その王国を揺るぎないものとする。...わたしは彼の王国の王座をとこしえに堅く据える」(Uサムエル記7:12,13

イエス・キリストは、実に地上のすべての氏族が祝福に入れられるその祝福の源としておいでになった方なのです。そしてその王国は揺るぎないものとなり、その王座は永遠に堅く据えられる、まさに王の中の王、主の中の主なるお方だと系図の書き出しは告げているのです。