今週のメッセージ 2010.9.26

人を真に人として生かす原点は...

 

去る21日の『朝日』朝刊のスクープ記事以来、大阪地検特捜部のデータ改ざん問題が連日テレビ、新聞等で報じられています。当の『朝日』は二日連続して社説のトップで取り上げていました。

法治国家では最終的には法律に照らして物事の決着を図ります。その法の定めに基づき、場合によっては犯した罪を、命を以って償うべく死刑が執行されることもあるのです。

特捜部は特別捜査部の略で東京、大阪、名古屋の各地方検察庁にだけ設置されているまさに“特別な捜査部”で“日本最強の捜査機関”といわれています。その一つである大阪地検特捜部が、なんと証拠として押収したデータを改ざんしたというのですから大変です。わが国の裁判は証拠主義に基づいていますから、検察によって都合の良いように証拠とされるデータが改ざんされたらたまったものではありません。厚生労働省の元局長村木さんも危うく冤罪に落とし込まれるところでした。

どんなに法が整備されていても、その法を活かすも殺すも結局は“人次第”です。最終的には結局“人”が問題なのです。

 聖書に、「人を生かすものは霊であって、肉はなんの役にも立たない。わたしがあなたがたに話した言葉は霊であり、また命である」という主のお言葉があります(ヨハネ6:63、口語訳)。「肉」とは生まれながらの人間の“弱さ”や“無力さ”、また“不完全さ”や“限界”を意味する言葉です。その「人」を真に「生かす」のは主イエスの御言葉だというです。それこそが人を真に生かす「霊」また「命」なのだというのです。また、「人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる」(マタイ4:4)ことこそ、人間存在の原点なのです。