今週のメッセージ 2010.12.12

時が来れば実現する神の言葉


「あなたは口が利けなくなり、この事の起こる日まで話すことができなくなる。時が来れば実現するわたしの言葉を信じなかったからである。

(新約聖書・ルカによる福音書1:20)

この言葉は、老祭司ザカリアが、天使ガブリエルによってもたらされた「喜ばしい知らせ」を信じなかったために下された罰の宣告です。

子どもが与えられることなく老いてしまった祭司ザカリアとその妻エリサベトの間に男の子が生まれるという「喜ばしい知らせ」でした。当時、世襲であった祭司職が途絶える危機からの救いの朗報だったのです。

しかし、それ以上の「喜ばしい知らせ」でした。

というのは、当時イスラエルは、ローマ帝国によって独立を奪われ、おまけにローマによる傀儡政権のエドム人であるヘロデが王位に着いていたのです。つまり二重の屈辱の中にあったのです。加えて、若者たちはギリシャ文化とローマ式生活スタイルに染まり、神の民としての伝統も宗教心もすっかり地に落ちていた時代でした。そんな中でのイスラエルに回復を与えるという「喜ばしい知らせ」でした。しかもそれは、かつてマラキという預言者によって語られた神の約束の実現に他なりませんでした。しかし、ザカリアはそれを信じることが出来なかったのです。目に見える現実に飲まれてしまっていたために、聞く耳も閉ざされてしまっていたのです。

旧約聖書のイザヤ書に次のような言葉があります。

「わたしの口から出るわたしの言葉も/むなしくは、わたしのもとに戻らない。それはわたしの望むことを成し遂げ/わたしが与えた使命を必ず果たす」(55:11)。

神の言葉は時が来ると必ず実現するのです!