今週のメッセージ 2010.12.26

生活暦と教会暦の狭間で

本年最後の日曜日となりました。日本社会に生きる者の感覚としてはこう表現するのがいちばんフィットするかも知れません。しかし、教会暦では本日は降誕後第一主日となっています。来年の16日は教会暦では公現日と呼ばれる日で、降誕日から公現日の前日までが降誕節と呼ばれる期間となっています。従って、リタ−ジカル(儀式的)な教会では降誕節の間はクリスマスの飾り付けはそのままにしています。

今日は26日、すなわちクリスマスの翌日です。巷ではクリスマスの飾り付けはすっかり片付けられ、いわゆる歳末ムード一色に様変わりです。昨日まではクリスマスムードだったテレビ、ラジオも一夜明けたらクリスマスの「ク」の字も聞こえて来ないほどの変わりようです。

そこでキリスト教会として、教会暦に基づく趣旨の下にこの文章を記しているというわけです。

そもそもクリスマスとは、英語ではChristmas、即ち、Christ‐masで、“キリストの祭”を意味しています。英語の“mass”はいわゆるカトリック教会の「ミサ」のことです。因みにカトリック教会のクリスマスでは、この日3回のミサが行われると聞きます。即ち、深夜と明け方と朝の3回です。そこにはキリストの3重の誕生、父なる神のみふところと、マリアの胎内と、信者の魂の中とにおける誕生を象徴する意味が込められているとのことです。

ドイツの神秘的宗教詩人でアンゲルス・シレシウスという人がこんな詩を書いています。

 「キリストが千度ベツレヘムにお生まれになっても、あなたの心の中に

お生まれにならなかったら、あなたの魂は捨てられたままです。」