今週のメッセージ 2011.1.9

受けるよりは与える方が幸い


表題の言葉は、わたしたちの教会が今年掲げた“標語”です。

出所は使徒言行録2035です。この20章は、第3回伝道旅行を終えた使徒パウロが、五旬祭までにエルサレムに戻るためにエフェソに立ち寄ることを止め、トロアスからエフェソに使いを送り、長老たちを呼び寄せて決別のメッセージを語っているところです。そのことは、「あなたがたが皆もう二度とわたしの顔を見ることがないとわたしには分かっています」(25節)とのパウロの言葉からも伺えます。決別の際にはどうでもよいことは語りません。是が非とも伝えておきたいことを語るものです。

またこの20章は、使徒言行録においてパウロが信仰者を相手に、しかもかなりのスペースが費やして語っている唯一のメッセージです。

さらにもう一つ、四福音書を除いて、主イエスの言葉が直接引用されているのはこの個所だけです。そして、引用されている主イエスの言葉こそ、『受けるよりは与える方が幸い』なのです。

パウロは、「そして今、わたしは、“霊”に促されてエルサレムに行きます」(22節)と言っています。そのパウロが、「“霊”に促されて」このメッセージを語っていることは言うまでもないでしょう。

そのような緊張感と切迫感の中で、信仰者に対して語られているパウロのメッセージ、そしてその中で直接引用されている主イエスのです。

天国と地獄の様子を垣間見てきた人の話”という譬話があります。両方とも長い箸をもって食事をしていたのです。地獄では、なんとか食物を自分の口に入れようと各自がやっきになっていました。しかし天国では互いに向かい合い、相手の口に入れ合っていました。

実に天国と本質を突いた話しではありませんか!