今週のメッセージ 2011.2.6

重い皮膚病を患っている人のきよめ

 

「重い皮膚病を患っている人」の主イエスによるきよめの出来事が『マタイによる福音書』8章の初めに出ています。「重い皮膚病」は以前は「らい病」と訳されていました。しかし、それは「らい病」とはイコールではありません。その証拠に家や衣服のらい病という奇妙な表現からもわかります。そこで後に差別用語を避けることもあり、「重い皮膚病」と訳し直され、家や衣服のそれは「かび」と訳されるようになりました。しかし、それでもしっくり来ないということで、原語の「ツァラアト」をそのまま当てている訳もあります。

さて、それはそれとして、ある時、「重い皮膚病」を患っている人が、律法の定めを破って主イエスに近づき、きよめを求めたのです。すると主イエスは、「手を差し伸べてその人に触れ、『よろしい。清くなれ』」3節)と言われたのです。すると、「たちまち、重い皮膚病は清くなった」(3節)と記されています。

汚れが伝染しないために、重い皮膚病を患っている人は「汚れた者、汚れた者」と叫んで他の人が知らずに近づくことを防いだのです。このように彼らは、聖なる場につどい神に礼拝を献げることも出来ず、他者からの隔離の生活を強いられ、肉体的苦痛のみならず「汚れた者」と自己否定的叫びを上げざるを得ない、すなわち三重、四重に悲惨な状態の中で生きることを余儀なくされていたのです。

そんな人の求めに対し、主イエスは、「よろしい。清くなれ」と命ぜられ、すると、「たちまち、重い皮膚病は清くなった」のです。ここに、ことばを発せられることにより創造の業を担われた神の、ことばによるきよめ、すなわち救いの御業を見るのです。イエスは救い主なる神なのです!