今週のメッセージ 2011.2.20

悪魔の策略に対抗するための神の武具

 

先週は、ローマの百人隊長が、中風で苦しんでいる僕(しもべ)のいやしを主イエスに願い出た出来事について記しました。百人隊長の家に赴こうとされた主に対して、彼は、それには及びません、「ただ、お言葉を下さい」(マタ8:8)、と言いました。すると主は、「イスラエルの中でさえ、わたしはこれほどの信仰を見たことがない」(同10節)、といたく感心されたのでした。

この神の言葉に対する信仰を、主ご自身が身をもって示された出来事があります。そうです。主が公の働きを開始されるに先立ち、荒れ野でサタンの誘惑に遭われた出来事です。

主は三度にわたるサタンの攻撃に対して三度ともみ言葉を以って対され、見事にサタンを退けられたのです。その言葉とは、旧約聖書・申命記の中の8:3、6:16、6:13の三つです。

いずれも申命記からの引用であることが興味を引きます。ひとつには、神がモーセを通して語られた戒めが申命記の中に要約されているという意味で旧約聖書の核心の書であるという理由が考えられます。もうひとつは、モーセ五書と呼ばれる創世記、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記のうち、出エジプト記、レビ記、民数記は一般向けというよりも祭司、レビ人向けの、聖所やそこでの礼拝、またその際の献げ物等に関する細かい規定が記されているのに対し、申命記は、イスラエルの全会衆に向けた教えがわかりやすく記されていることが挙げられるでしょう。

「悪魔の策略に対抗して立つことができるように、神の武具を身に着けなさい」(エフェソ6:11)とあります。主イエスは、身を以って「霊の剣、神の言葉」(同17節)こそ神の武具であることを示されたのです。