今週のメッセージ 2011.3.6

キリストの弟子道

 

「イエスは言われた。『わたしに従いなさい。死んでいる者たちに、自分たちの死者を葬らせなさい。』」(新約聖書・マタイ8:22)

主イエスが、弟子ペトロの姑を初め多くの病人をいやし、悪霊につかれた者たちから悪霊を追い出すという奇跡をなさったことを、マタイ、マルコ、ルカの三福音書が筆を揃えて記しています。

ルカはその記事に続いて、群衆はそのような目覚しい奇跡の担い手である主イエスを、「自分たちから離れて行かないようにと、しきりに引き止めた」(4:42)と伝えています。自分たちの都合にイエスを合わさせようとする人々の姿が見られます。しかし、それは弟子のあるべき姿ではありません。

他方、マタイでは、「先生、あなたのおいでになる所なら、どこへでも従って参ります」という律法学者が登場します(8:19)。しかし、主イエスは、「狐には穴があり、空の鳥には巣がある。だが、人の子には枕する所もない」(20節)と、律法学者を退けられます。真に悔い改めて、謙虚になって0から従おうとする献身なしに、単に決心で弟子になろうとしても長続きはしないからです。

さらにそのあと、弟子の一人が、「主よ、まず、父を葬りに行かせてください」(21節)というと、それに対して主が言われた言葉が冒頭の聖句です。主イエスは決して父を葬ることを不必要と言われたわけではありません。まず父を葬ってから主に従おうとした姿勢を問題視されたのです。弟子は、まず主に従うことを最優先すべきなのです。死者を葬ることは(霊的な意味での)死人に任せ、キリストの弟子たるあなたは、あなたしか出来ない、永遠の命の福音を伝えるべく、まず主に従うべきなのです。