今週のメッセージ 2011.6.19

三位一体主日

 

先週の「ペンテコステ(聖霊降臨日)」と呼ばれる記念日から1週間後の本日は「三位一体主日」と呼ばれる日です。教会暦の本日までの前半は、主イエスの降誕、受難、復活、昇天、そして聖霊降臨といった出来事の記念日が続くところから「主の半年」と呼ばれ、それに対して、本日からの後半は特別な記念日はなく、「教会の半年」と呼ばれる期間となっています。

ところで、「三位一体」については古来さまざまな説明が試みられてきました。しかし、神について人は所詮説明しきれるものではありません。

ナルニア国物語一般的に知られているC.S.ルイスという人が、その著書『キリスト教の核心』(KGK新書)の「U.三位一体」の中で、また『奇跡』(みくに書店)の「11.キリスト教と《宗教》」の中で興味深い説明をしています。それは三位一体を3次元の立方体にたとえ、人間の思考を2次元にたとえるものです。立方体を2次元で見るとき、それは6つの正方形としか捉えられません。すなわち、人間の思考(2次元)では、あくまで三つは三つ、一つは一つです。三つでありなが一つであるというのは理解を超えた事柄です。しかし3次元で捉えるならば、立方体の6つの正方形は一つ(一体)です。このように人間には神は理解しきれない存在です。

このことは三位一体に限らず、キリストの処女降誕、受難、復活、昇天、さらに未来に約束されている再臨についても同様です。人間は、聖書に掲示されている神をそのまま信じ受け入れる以外にないのです。実に、「聖書はわたしについて証しをするもの」(ヨハネ5:39)なのです。

してみると、アウグスティヌスの、「認識は信仰の報酬である。それゆえ信じんがために認識を求めようと欲するな。むしろ認識せんがために信じよ」との言葉がまさに至言として響いてまいります。