今週のメッセージ 2011.9.25

聖書に聞くことの恵み

 

 故安岡正篤(まさひろ)の書いた数々の論講の中から選んで1冊にまとめられたものに『活眼活学』(PHP研究所発行)があります。その中に、物の考え方の三つの原理が紹介されています。

 その第一は、物を目先で見るのと、長い目で見ることの二つのうち、長い目で見るということを原則として心得ておくべきこと。

 第二は、物を一面的にみるのと、多面的あるいは全面的に見ることの二つのうち、多面的、さらには全面的に見ることを第二の原則として心掛けるべきこと。

 第三は、物を枝葉末節で見るのと、根本的に見ることの二つのうち、できるだけ根本に立ち帰って見ることを第三の原則とすべきこと。

 そして第二の全面的に見るということは、大所高所に立つことだとして、「相」という文字に言及します。即ち、大臣のことを何々相、外相、法相、文相という「相」の字は、木偏に目と書いているけれども、本当は目を木偏の上に書くのが自然なのだ。つまり木の上に登って高い所から見るという字なのだ。しかし長くなるので「木」の右へ「目」を持ってきた、と。

 して見ると、聖書に聞くことは実にすばらしいということです。なぜなら、至高の存在である神の目を以って見ることだからです。神は、創造者であられる故、すべての始源を明らかにし得る唯一の方です。また審判者であられる故、すべての究極について語り得る唯一の方です。故に、わたしたちはこの神からの啓示の書である聖書を通して「はじめ」から「おわり」に至る最高の「長い目」を以ってものを見ることが出来るのです。

 「わたしはアルファであり、オメガである。初めであり、終わりである。」(新約聖書・ヨハネの黙示録21:6)