今週のメッセージ 2011.12.25

死の陰の地に住む者に光が!

 

漢字一文字で一年の世相を表す毎年恒例の「今年の漢字」は「絆」に決まった。京都市東山区にある清水寺で森貫主が特大の和紙に揮毫した。

「絆」といえば、イギリスの作家サマセット・モーム(1874−1965)の作品に『人間の絆』がある。その中に“東方の王様の話”が出て来る。以下に掻い摘んでその内容を記してみよう。

王様は人間の歴史を知りたいと思い、ある賢者から500巻の書を与えられる。しかし、国事に忙しかった彼は賢者にもっと要約するよう命じる。20年後、賢者は50巻に要約して持ってきた。すでに老齢になっていた王は、読むのに大変とさらに要約を命じる。さらに20年後、彼自身も白髪になった賢者はわずか1巻に要約して持参した。しかしその時、王は死の床に横たわり、最早わずか1巻も読む力がなかった。そこで賢者は人間の歴史をわずか1行にして王に申し上げた。「人は、生まれ、苦しみ、そして死ぬ」。つまり、人生の意味など何もなく、死もまた無意味というわけである。

しかし、あの最初のクリスマスに救い主がお生まれになった。やがてガリラヤのカファルナウムを拠点として活動を開始された時、それはかつて預言者イザヤが告げたことの成就として、次のように記されている。

「暗闇に住む民は大きな光を見、死の陰の地に住む者に光が射し込んだ。」(新約聖書・マタイ4:16)

救い主イエス・キリストこそ、死の闇で覆われていた人生に希望と命の光をもたらすお方だ。

「わたしは世の光である。わたしに従う者は暗闇の中を歩かず、命の光を持つ」(新約聖書・ヨハネ8:12)。メリー・クリスマス!