今週のメッセージ 2012.2.12

主イエスと重い皮膚病患者のいやし

 

マルコ福音書の1章に、重い皮膚病を患っていた人が、主イエスによっていやされた出来事が記されています(40-45節)。「重い皮膚病」とは、以前は「らい病」と訳されていた語です。(しかし1996年4月に「らい予防法」が廃止されたことに伴い、「重い皮膚病」という訳語に変更されました。)

この患者は、「御心ならば、わたしを清くすることがおできになります」と主イエスに近づいて求め、主イエスもそれに対して、「手を差し伸べてその人に触れ、『よろしい。清くなれ』」と言われると、たちどころにその人は重い皮膚病が去り、清くなったとあります。そこには並々ならぬその患者の主イエスに対する信頼と信仰、そして主イエスの彼に対する驚くべき愛の業が示されています。

その折、主イエスはその男に対して、「だれにも、何も話さないように気をつけなさい」と言われました。主イエスの禁止の意図は、ご自身が単なる呪術者として誤解されることを避けようとされたのです。しかしその男は、そのような主の意図には全く思いが及ばず、言い広めてしまったのでした。

それにしても主イエスのメシア性を正しく理解することの難しさを覚えます。あの弟子たちでさえ、しかも十字架と復活の出来事を経た後でも、主イエスに対してローマ帝国から国を解放する存在程度にしか理解出来なかったのでした。

主イエスのメシア性を理解するために、キリスト教会が教団教派を超えて共有する信仰告白としての使徒信条に、「罪の赦し、からだのよみがえり、永遠の命を信ず」とあることをよく理解し、信じることが肝要です。