今週のメッセージ 2012.2.19

罪を赦す権威

 

「『人の子が地上で罪を赦す権威を持っていることを知らせよう。』そして、中風の人に言われた。『わたしはあなたに言う。起き上がり、床を担いで帰りなさい。』」(マルコ2:10,11)

ある時、中風の人が、主イエスのもとに担架に乗せられ、四人の男たちに運ばれてやって来ました。すると主イエスは、その中風の人に向かって、「子よ、あなたの罪は赦される」と宣言されたのです。その場に居合わせた、予てから主イエスに敵対していた律法学者たちは、罪を赦すことが出来るのは神御一人だけだ、神を冒している、と心の中で考えたのです。その彼らに向かって主イエスが言われたのが冒頭の聖句です。その次の12節では、「その人は起き上がり、すぐに床を担いで、皆の見ている前を出て行った。人々は皆驚き、『このようなことは、今まで見たことがない』と言って、神を賛美した」と記されています。

その宣言に先立ち、主イエスは律法学者たちに向かって、「中風の人に『あなたの罪は赦される』と言うのと、『起きて、床を担いで歩け』と言うのと、どちらが易しいか」と問うた上で冒頭の言葉を語られたのです。

この出来事は、主イエスにおいて罪の赦しの宣言病人のいやしの業の位置関係がはっきり示されています。すなわち、罪の赦しの宣言が主で、病人のいやしは従だったのです。このことは、前段(1:40−45)で重い皮膚病を患っていた人をいやされた際、「だれにも、何も話さないように気をつけなさい」と言われた理由を明らかにしています。実に主イエスこそ罪を赦す権威を持つ、来るべき救い主そのお方であり、重い皮膚病を患っていた人の清めや中風の人のいやしはその証しに他ならなかったのです(マタイ11:5参照)。