今週のメッセージ 2012.6.17

「父の日」に因んで

 

5月第2日曜日は「母の日」、そして本日の6月第3日曜日は「父の日」です。前者にくらべ後者はどうも影が薄いようです。

第一生命が1987年から始めた“サラリーマン川柳”をみていると、家庭内における夫・お父さんの悲哀を感じさせるものが結構あります。

  わが家では こどもポケモン パパノケモン

  父見捨て 子どもプレステ 母エステ

  このオレに あたたかいのは 便座だけ

  妻・子・俺 格差社会は わが家にも

封建的な亭主関白も問題ですが、夫・父親が家庭にあって気を遣って萎縮しているのもまた問題です。

聖書の中に「十戒」と呼ばれる教えがあります。その中の第5番目の戒めに、「あなたの父母を敬え」とあります(出エジプト記20:12)。「十戒」は前半が神に対するあり方、後半は人に対するあり方を教えています。そして第五戒「あなたの父母を敬え」はその中間に位置していて前半にも後半にも関わっている戒めです。後半の人に対する関わり方の教えは容易に理解がいくと思いますが、前半の神に対する関わり方の要素も持っているという点は理解しにくいかも知れません。父母は神から子どもの養育を託され、それを担っている存在です。さらに、神に代わって子どもに神の御心を教え、心と霊の養いの業をも担うべき存在です。従って父母を敬うことは、本来、神を敬うことに通じていたのです。

現代のわが国にあって、前半の神に対する信仰が欠落しているため、後半の倫理もその土台を失ってしまっています。そこに倫理・道徳に関するさまざまな問題の根因があり、また父権喪失の因もそこにあるのです。