今週のメッセージ 2012.9.2

9月を迎えて

 

まだ日中の暑さは残っているものの、昨日から9月に入りました。

昨日の91日は、昔から二百十日と呼ばれ、台風の時節の代名詞となってきました。立春から数えて91日頃が二百十日目に当たり、台風の襲来を受けることが多い時節の到来というわけです。またそれとは別に、1923年(大正1291日に起こった関東大震災に因んだ特別な日でもあることから、1960年以来、この日が「防災の日」となっています。

しかし、洞爺丸台風(1954年)、狩野川台風(1958)、伊勢湾台風(1959年)などの多数の死者や行方不明者を出した大型台風は、どういうわけかいずれも926日でした。

洞爺丸台風は、青函連絡船洞爺丸を転覆・沈没させ、死者、行方不明者併せて1155名の犠牲者を出したことで知られています。またこの洞爺丸台風には有名なエピソードがあります。それは乗船していた3名の外国人宣教師、デーン・リーバー(YMCA)、アルフレッド・ストーン(メソジスト)、ドナルド・オース(メソジスト)に纏わるものです。そのうちリーバーとストーンは遭難死しましたが、オースは生き残り、彼を通して、危機的状況の中、リ-バーやストーンたちが手品で子どもたちを和ませたり、救命具を着るのを手伝ったり、ついには自分が着けていた救命具を他の乗客にゆずったりして救助に努力したことが伝えられています。

故三浦綾子氏はその作品「氷点」の中で、洞爺丸に乗船し、九死に一生を得た辻口啓造の口を通して、船中での宣教師たちの犠牲的な人道行為のエピソードをを語らせています。

「友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない。」

(新約聖書・ヨハネ15:13)