今週のメッセージ 2012.9.16

「敬老の日」に因んで

 

明日17日は「敬老の日」です。以前は9月15日と固定されていましたが、2003年からハッピーマンデー制度の実施により9月の第3月曜日となって現在に至っています。

「敬老の日」も以前は「老人の日」といわれ、さらにその前は「としよりの日」と呼ばれていました。現在の呼称は1966年以降です。

そもそも最初の「としよりの日」はどのようにして始まったのでしょうか。なんとその起こりは、兵庫県多可郡野間谷村の村長さんと助役さんが、「老人を大切にし、年寄りの知恵を借りて村作りをしよう」と思い立ち、「としよりの日」を提唱したことにあるのだそうです。農閑期に入り、気候も良い9月の中旬の15日がその日に選ばれたとのことです。それが後に兵庫県全体で行われるようになり、さらに全国的に広がったというわけです。現代はとかく新しいことはすぐれている、年寄りは古く遅れている、とする価値観に支配されている傾向がありますが、高齢者の存在はもっと重んじられるべきと思います。

ところで旧約聖書の詩編92に、「白髪になってもなお実を結び/命に溢れ、いきいきとし」(15節)とあります。その冒頭の表題は「賛歌。歌。安息日に」となっています。この「安息日」は、神が創造の業を終えられ、7日目に休まれたこととの関連より、むしろ来るべき永遠の安息との関わりで歌われているといわれます。年を重ねると衰えていき、その終着駅が死というのが世の常識となっていますが、この詩は、「白髪になってもなお実を結び/命に溢れ、いきいきとし」と歌い、さらに永遠の安息への結びつきが示唆されているのです。そしてそれは、「神に従う人」にもたらされる祝福といわれているのです。