今週のメッセージ 2012.9.23

「秋分の日」という祝日

昨日は「秋分の日」と呼ばれる祝日でした。

国の法律で定められた祝日は現在15あります。それぞれの祝日の説明されている趣旨をみると、「元日」「成人の日」を初めとして一応理解できます。しかし、よくわからないのが3月の「春分の日」とこの9月の「秋分の日」です。そもそもこの二つは昼と夜の長さが同じになる日で、天体の運行に基づく天文学あるいは気象学の上の意味を持つ日に過ぎません。

法律の説明をみると、「春分の日」については「自然をたたえ、生物をいつくしむ」とあります。他方、「秋分の日」は「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」となっています。どうも両方ともしっくり来ません。それもそのはずです。明治憲法下の時代には、前者は春季皇霊祭、後者は秋季皇霊祭と呼ばれる歴代の天皇、皇后、皇族などの皇祖の神霊を祀る儀式が営まれる日だったのです。戦後、それをそのまま残すわけにはいかないため、名称を変えて残したため、その説明も何かしっくり来ないものになってしまったというのが実際のところでしょう。

それにしても神道の儀式が名称を変えて「国民の祝日」の中に入り込んでいるのは解せないところがあります。

ところで、キリスト教会における最も中心的な祝日は「主の日」と呼ばれる日曜日です。それはイエス・キリストの復活が週の初めの日、即ち日曜日の起こったことに起源を持っています。そして後にこの日は仕事を休む休日となっていきました。わが国では長い間、毎月の1日と15日、及び盆、暮、正月が休日でした。週休制が入ったのは明治になってからです。その時、休日の概念だけが入り、その起源のキリストの復活までは入りませんでした。そして今日に至っているわけです。