今週のメッセージ 2012.10.7

ノーベルと人生の目的

間もなく本年のノーベル賞受賞者が発表されます。スウェーデンの公共ラジオ局の番組では、地元の科学ジャーナリスト達による受賞者の予想が取り上げられるとのことです。

国内でも先日、iPS細胞(新型万能細胞)つくった山中伸弥教授(京都大学)を生理学・医学賞の有力候補者として挙げられていました。

ところでノーベル賞はアルフレッド・ノーベル氏によって設立されたものです。彼はダイナマイトの発明者であり、武器製造とその販売によって巨万の富を築きました。1888年のある朝のこと、新聞になんと彼の死亡記事が出ていたのです。実際に亡くなったのは彼の弟で全くの誤報だったわけですが、その記事により彼は自分が世間からは“ダイナマイト王”としてしか知られていないことに気付かされたのです。彼の動機や目的などには全く触れられず、ただ“死の商人”のようにしか扱われていないことに大変なショックを受けたのです。

そこで彼は、自分の本当の“人生の目的”を世界に知ってもらおうとして自分の遺産でノーベル賞を設立するよう遺書にのこしたとのことです。

今や彼はダイナマイトよりもノーベル賞の設立者で世界に知られていますが、彼自身はそれをどのように見ているのでしょうか。

それはともかく、わたしたちの“人生の目的”は創造主である神との関わりの中で示されていくものです。旧約聖書の『コヘレトの言葉』の結びの部分に以下のような言葉があります。

「『神を畏れ、その命令を守れ。』これこそ、人間のすべて。」

この人生の基本を踏まえる中で、神は各自にその具体的な目的をお示し下さるのです。