今週のメッセージ 2013/4/7

見ないのに信じる人は幸い

イースター(復活祭)から1週間が経ちました。聖書の中にも主イエスの復活から1週間が経った「週の初めの日」の出来事が記されています。

『ヨハネ福音書』20章に、主イエスが復活されて弟子たちの前に姿を現された時、トマスという弟子がその場にいなかったとあります。あとで仲間たちから主の復活を知らされると彼は言ったのです。「あの方の手に釘の跡を見、この指を釘跡に入れてみなければ、また、この手をそのわき腹に入れてみなければ、わたしは決して信じない」(25節)と。

このためトマスは今日でも“疑い深いトマス”と不名誉な綽名をつけて呼ばれたりしています。しかし、『ルカ福音書』の復活の記事を見ると、婦人たちが弟子たちに主の復活を知らせた当初、「この話がたわ言のように思われたので、婦人たちを信じなかった」(2411)とありますから弟子たちとて皆トマスと大差ありません。

1週間後の「週の初めの日」、今度はトマスもいるところに復活の主は再び姿を現され、いきなりトマスに向かって言われたのです。「あなたの指をここに当てて、わたしの手を見なさい。また、あなたの手を伸ばし、わたしのわき腹に入れなさい。信じない者ではなく、信じる者になりなさい」。

「わたしの主、わたしの神よ」とイエスを拝するトマスに向かって主は言われます。「わたしを見たから信じたのか。見ないのに信じる人は、幸いである」(29節)

この福音書は紀元90年代の後半に書かれたと考えられています。即ち、見て信じることは出来ない第2世代が出現しつつある中で書かれたのです。実はわたしたちもその中に含まれています。主の福音のメッセージを聞き、聖書を読んで信じるようにとの勧めがなされているのです。