今週のメッセージ2013.4.28

玉木愛子

復活節も第5週を迎えました。

復活について考えるとき、必ずと言っていいほど思い出す人物がいます。それは表題にも掲げた玉木愛子という人です。

姉は、1887年に大阪の老舗の材木問屋の長女として生まれ、1969年、82歳で召されました。小学校入学の頃にハンセン病に罹り、やがて周囲に隠し切れない状態となり、母親と一緒に瀬戸内海に入水自殺しようとさえしました。そんな中、姉は日本最初のハンセン病院である熊本の回春病院に入所しました。そこで熱き祈りの人である三宅俊輔院長に出会ったのです。そして三宅氏の勧めと励ましにより、入所してから一年半後に洗礼を受けクリスチャンとなったのです。34歳でした。

1937年に失明。それ以降本格的に句作に励んだそうです。

復活節の期間に因んで姉が詠んだ句を紹介してみましょう。

 毛虫這えり 蝶となる日を 夢見つつ

手足を失った不自由なからだ。しかし何度も人を呼ぶのも心苦しい。そこで毛虫のように這って部屋の中を移動するわけです。そんな中で、自由に羽ばたいて飛ぶ蝶に復活の日の夢を託して詠んだものです。

 目をささげ 手足をささげ 降誕祭

手足を失い、薄暗い部屋の中に丸太ん棒のように転がっている姉にとって、「からだのよみがえり」を約束するキリストのご降誕は、まさにいのちの光、希望の光でした。

ご降誕のキリストは、やがて十字架の死を経て復活されました。その復活は、死者の復活のため、そしてそれは実に「からだのよみがえり」のための復活であったのです!