今週のメッセージ2013/06/30

神は至高の棟梁

 

先々週になりますが6月22日、カンボジアのプノンペンで開かれていたユネスコ世界文化遺産委員会において、ご存知のように富士山が正式に世界文化遺産に登録されることが決定いたしました。また当初はユネスコの諮問機関が登録からの除外を求めていた三保の松原も逆転登録が決まりました。個人的には富士山については高校3年の夏、同級生の気の合った仲間4人で登山した思い出がありますし、三保の松原についても、こちら浜松に転任する前は静岡に14年間いて、ちょうど子育ての時代でもあったので、子どもたちを連れてよく三保の海岸にも行った思い出があります。そんなわけで登録決定はうれしく思った次第です。

ところで、日本の文化遺産登録第1号はどこだったか御存知ですか。そう、法隆寺です。評価されたポイントはなんであったかと言うと、「世界最古の木造建築である」ということです。飛鳥時代に建立された建物が、なんと1300年もの風雪に耐えて、1993年に世界文化遺産として登録されたのでした。

1995年に86歳で死去された西岡常一は昭和の最後の宮大工といわれ、昭和の大修理を担いました。彼は、どの時代のどんな工匠、工人よりも自分は一番の幸せ者だといいました。そのわけは、大修理の現場で、各時代の先人たちの心を込めた技の手形、仕事振りを、自分の目で見、手にとってそれを体得できたからだといいます。檜の素晴らしさも去る事ながら、飛鳥時代の宮大工の木の性質を見抜く力、構造および技法の素晴らしさは卓越したものがあると著書に書いています。

しかし、創造主なる神は、至高の棟梁として、われらに賜物を与え、適材適所に用いてご自身の教会を建て上げられることを覚えたいと思います。