今週のメッセージ20137/21

エサウとヤコブ

 

表題は旧約聖書の創世記に登場する双子の兄弟の名前です。この兄弟は非常に対照的で、兄エサウは野性的で猟師をしていました。弟ヤコブは穏やかな性格で羊や山羊を飼う仕事をしていました。

ある日、エサウは猟をして疲れ、お腹を空かせて帰って来ました。その時、たまたま弟ヤコブは煮物を作っていました。帰って来たエサウは、美味しそうなにおいにすっかり食欲をそそられ、ヤコブの提案に従い、長子の権利とその煮物を交換してしまったのです。

日が経ち、父親イサクはこの世を去る時が近くなったことを悟り、エサウを呼んで猟に行かせ、獲ってきた獲物を料理して自分に食べさせ、その後で長子の権利を相続させる祝福の祈りをすることにしたのです。

ところが、その遣り取りを母親リベカが聞いていて、その後一計を案じて弟ヤコブに兄エサウを装わせ、老いて目もかすみ、心もとなくなっていたイサクを騙してその祝福を奪ってヤコブのものとしてしまったのでした。

ところで、この家督相続やそれに伴う祝福の祈りには、通常のそれ以上のものが伴っていました。それは後に救い主イエス・キリストに連なることになる特別な約束とそれに伴う祝福でした。

エサウは目先の利得に心奪われ、永遠に連なる価値を有する神の祝福を軽んじたのです。他方、ヤコブは、そのやり方には問題があったものの、神の約束や祝福に対してそれを追い求めていったのでした。

主イエスのお言葉に次のようなものがあります。

「朽ちる食べ物のためではなく、いつまでもなくならないで、永遠の命に至る食べ物のために働きなさい。これこそ、人の子があなたがたに与える食べ物である。」(新約聖書・ヨハネ6:27)