今週のメッセージ2013.7.28

「父なる神を信ず」

 

先々週、使徒信条について記しましたが、今週も継続します。

使徒信条は一口でいうならば「三位一体」なる神に対する信仰告白です。従ってその構成は、最初に「父なる神」に関して、次いで「御子イエス・キリスト」に関して、そして最後に「聖霊かる神」に関する信仰告白となっています。2番目のイエス・キリストに関する部分に一番多くのスペースが費やされています。「キリスト教」と呼ばれる所以でしょう。

最初の「父なる神」についての告白は、「われは天地の造り主、全能の父なる神を信ず」となっています。日本語と語順が異なる英語や原典と思われるラテン語では、先ず「父なる神を信ず」と告白し、その後に「父」について「全能の」そして「天地の造り主」が付く形になっています。

そこで最初の「父なる神を信ず」について着目するならば、ただ「神を信ず」と言っていないことは注目に値します。聖書においてただ「神を信ず」的な言い方を取っているところはないと言っていいでしょう。敢えて挙げるならばヨハネによる福音書141節です。即ち、

 心を騒がせるな。神を信じなさい。そして、わたしをも信じなさい。

となっています。これは主イエスのことばです。

しかしこれとても「神を信じなさい」に続いて直ぐに「わたしをも信じなさい」とあり、イエス・キリストを信じることと、表現は悪いですが、抱き合わせになっています。つまり神を正しく信じることはイエス・キリストを信じることと切り離すことは出来ないのです。そしてこの御子イエスがわたしたちに神を「父」と呼ぶことを教えて下さったのです。イエスが教えて下さった「主の祈り」は、神に対する呼びかけで始まっていますが、それは、「天におられるわたしたちの父よ」(マタイ6:9)です。