今週のメッセージ 2013.9.29

「此岸から彼岸へ」の確かな情報

 

“暑さ寒さも彼岸まで”とはよく言ったものです。秋らしい時候となってきました。「彼岸」は“向こう岸”の意味で“死の向こう側”を指しています。そレに対し「此岸」は“死のこちら側”、即ち“この世”です。

 新約聖書のルカ福音書に、主イエスが語られた “金持ちとラザロ”(161931)というお話しがあり、「彼岸」と「此岸」が併行して語られています。

先ずは此岸。冒頭で、「ある金持ちがいた。いつも紫の衣や柔らかい麻布を着て、毎日ぜいたくに遊び暮らしていた」(19節)と金持ちが紹介されています。続いて、「この金持ちの門前に、ラザロというできものだらけの貧しい人が横たわり、その食卓から落ちる物で腹を満たしたいものだと思っていた。犬もやって来ては、そのできものをなめた」(20,21節)とラザロが紹介されています。

次いで彼岸。金持ちであろうと貧しかろうと、死は平等にやって来ます。両者とも此岸から彼岸へと居場所が移ります。貧乏人ラザロは天に上げられ、アブラハムの側に、他方お金持ちは陰府に下り、炎の中で苦しみ悶えることとなってしまいました。すると金持ちは、ラザロを遣わして舌を冷やして欲しいと頼みます。それが適わないことを知ると、ラザロを地上に遣わして五人の兄弟たちに自分と同じ轍を踏むことのないよう警告してやって欲しいと頼みます。

しかし、それに対する返答は、「お前の兄弟たちにはモーセと預言者がいる。彼らに耳を傾けるがよい」(29節)でした。「モーセと預言者」とは“(旧約)聖書”を指すものです。「此岸」から「彼岸」への確かな情報は、実に聖書の中にあるのです!