今週のメッセージ 2014.3.2

主イエス、誘惑を受ける(5)

 

今週は、サタンの最後の第三回目の誘惑と、それに対する主イエスの応戦について考え、荒れ野の試練の記事を終えたいと思います。

サタンの最後の誘惑は以下のようなものでした。

 「悪魔はイエスを非常に高い山に連れて行き、世のすべての国々とその繁栄ぶりを見せて、『もし、ひれ伏してわたしを拝むなら、これをみんな与えよう』と言った。」(マタイ48,9

このサタンの誘惑の言葉を先の2回のそれと比べるとき、興味深いことを発見します。

初回は、「神の子なら、これらの石がパンになるように命じたらどうだ。」(3b節)

2回目は、「神の子なら、飛び降りたらどうだ。・・・」(6節)

 口語訳聖書ですとこの辺りがわかりづらいのですが、新共同訳ですと、三回目が「もし、・・・拝むなら」と仮定文であるのに対して、初回と二回目は、両方とも「神の子なら、・・・」となっていて「もし」がありません。新改訳も同様に三回目が、「もしひれ伏して私を拝むなら」であるのに対し、初回、二回目とも「あなたが神の子なら」となっており「もし」がありません。

この違いが意味していることは、先の2回はサタンもイエスが神の子であることを認め、やろうと思えば出来るだろうと誘っているわけです。しかし最後はサタンも確信がなく誘っているのです。

主イエスの応戦は、「退け、サタン。『あなたの神である主を拝み、/ただ主に仕えよ』/と書いてある」10節)でした。サタンに対しては御言葉に堅く立ち、(主の御名によって、)「退け!」と命ずる以外にないのです。