今週のメッセージ 2014.5.25

キリストの復活と死者の復活

 

新約聖書の中の『コリントの信徒への手紙第一』15章は“復活の章”と呼ばれます。そして12-34節では“死者の復活”の問題が取り上げられています。その背景には、当時のコリント教会の中に「死者の復活」を否定する人たちがいたということがあります。

著者の使徒パウロは、その問題を論じるのに先立ち、まず「最も大切なこと」(同3節)として二つのことを挙げます。その二つとは、キリストの十字架の死は単なる殉教ではなく、「聖書に書いてあるとおりわたしたちの罪のために死んだこと」(3節)であり、またキリストの復活は単なる生き返りでなく、その十字架の贖罪死から「聖書に書いてあるとおり三日目に復活したこと」(4節)の二つです。さらに、それぞれの確かさの裏づけとして、前者には「葬られたこと」4節)、後者にはケファ(ペトロ)を初めとする目撃証人たちのリスト(5−8節)を添えます。

その論ずる過程の中で、死者の復活がなければ、キリストも復活しなかったはず、そしてキリストが復活しなかったのなら宣教も信仰も無駄であり、わたしたちは神の偽証人とみなされることになる、と記します。また、キリストが復活しないのなら、信仰者は今もなお罪の中にいることになるし、死の眠りについた者たちは滅んでしまったことになる。そのような信仰者たちはすべての人の中で最も惨めな者だと語ります。

その上で、「しかし、実際、キリストは死者の中から復活し、眠りについた人たちの初穂となられました」(1520と宣言するのです。

この確かなキリストの復活の上に立って死者の復活も確かなこととなり、その故になんと、信ずる者には、墓(死)は、もはや人生の終着駅ではなく、天国への始発駅へと変えられているのです。ハレルヤ!