今週のメッセージ.2014.8.3

第三戒

 

「あなたの神、主の名をみだりに唱えてはならない。みだりにその名を唱える者を主は罰せずにはおかれない。」

(旧約聖書・出エジプト記20:7)

目下、旧約聖書に出ている(モーセの)「十戒」を取り上げて記しています。

前文では、「わたしは主、あなたの神、あなたをエジプトの国、奴隷の家から導き出した神である」(同2節)として、十戒の付与者である神の自己紹介がまず示されています。

そして最初の第一戒では、「あなたには、わたしをおいてほかに神があってはならない」(同3節)と、唯一真の神であるわたしを礼拝せよとの信仰の大原則が提示されます。

次の第二戒では、「あなたはいかなる像も造ってはならない」(同4節)と、拝一神信仰の具体化としての偶像禁止が命じられます。

さて、今回取り上げる第三戒では何が命じられているかというと、「あなたの神、主の名をみだりに唱えてはならない。みだりにその名を唱える者を主は罰せずにはおかれない」(同7節)として、神名濫唱を禁じることによる拝一神信仰の徹底化です。聖書において「名」は、単に他のものから区別するための呼称ではありません。その名を帯びている者の本質や存在と密接に関わるものです。従って、その名を呼ぶことは、その存在を動かし、支配することに通じることなのです。故に、神の名をみだりに唱えることにおいては、神を自分の意のままに操ろうとする、実に傲慢不遜な思いが働いているのです。神はそれを禁じられると共に信仰と真実と敬虔さを以って主に対する姿勢をお求めになっておられるのです。