今週のメッセージ 2014.8.24

第五戒

 

「あなたの父母を敬え。そうすればあなたは、あなたの神、主が与えられる土地に長く生きることができる。」(出エジプト記20:12)

これは十戒の中の第五番目の戒めです。

冒頭に「あなたの父母を敬え」とありますので、一見、親孝行の教えと思われがちですが、そうではありません。

旧約時代のイスラエルでは、父親は一家の家長であり、同時に家庭で主なる神の権威を代表して宗教教育の務めを担う存在でした。また母親も重要な位置を占め、父親同様、尊敬の対象でした。箴言という書に次のような言葉があります。

わが子よ、父の諭しに聞き従え。母の教えをおろそかにするな。」(1:8)

故に、子どもたちにとっては、父母に従うことは神に従うことに直ちに結び付いていたのです。従って父母は、まず子どもに背を向けて神を拝して生きる姿を示すことが大切でした。そういう存在故に、神は子どもたちに対して「あなたの父母を敬え」と仰せなのです。

但し、そこには条件があります。新約聖書の中に、「子供たち、主に結ばれている者として両親に従いなさい。それは正しいことです」(エフェソ6:1)、とあります。詰まり、「主に結ばれている」ということが大前提なのです。

わたしたちの国では、家庭にあってこの要素があまりにも希薄ではないでしょうか。旧約聖書の箴言1:8には以下のような言葉があります。

「主を畏れることは知恵の初め/聖なる方を知ることは分別の初め。」

第一〜四戒が土台となっての第五戒なのです!