今週のメッセージ 2014.9.28

第九戒

 

「隣人に関して偽証してはならない。」(出エジプト記20:16)

すでに見て来たように十戒の後半は人との関わりのあり方を教えています。即ち、第六戒では、「殺してはならない」として、人間のいのちそのものの尊重を教えています。次の第七戒では、「姦淫してはならない」と、そのいのちのあり方、即ち関わりの中で生きるべく男と女に造られた者として、その男と女のあり方を教えています。そして第八戒では、視点がいのちから所有物、即ち「もの」へと移り、「盗んではならない」と教えられます。そして本日の第九戒では、視点がさらに「もの」から「ことば」へと移り、「隣人に関して偽証してはならない」、と教えられています。

この第九戒は、虚言一般を禁じているというよりは、法廷における「偽りの証言」を禁じているものです。また、申命記1915に、「いかなる犯罪であれ、およそ人の犯す罪について、一人の証人によって立証されることはない。二人ないし三人の証人の証言によって、その事は立証されねばならない」とある通り、立証には「二人ないし三人の証人の証言」が必要とされました。

だからと言って、この戒めは裁判の法廷に限られるというわけではなく、公的でない個人的な倫理にも適用されるべき戒めです。

さらに、先週、エフェソの信徒への手紙の425以降の「新しい生き方」の小見出しの付いた部分をご紹介しましたが、同じくその29節に、「悪い言葉を一切口にしてはなりません。ただ、聞く人に恵みが与えられるように、その人を造り上げるのに役立つ言葉を、必要に応じて語りなさい」として、さらに前進して、「聞く人に恵みが与えられるように、その人を造り上げるのに役立つ言葉」を語りなさいと教えられています。