今週のメッセージ 2014.10.19

「十戒」を終えるに際して

 

「十戒」をテーマにしたメッセージは6/29からスタートし、ただ1回(10/5)を除いて今回に至るまですべて「十戒」に関連したものでした。今回で終えるに当たり、その締め括りとして「十戒」の持つ意義を確認したいと思います。

一般的に「十戒」に馴染みにくさを感じられる向きが多いかと思います。「戒」という文字は「戒め」を意味しますし、中を覗いて見ると、「・・・してはならない」という禁止的表現がほとんどです。そこでつい束縛のようなものを感じて敬遠しがちになるかと思います。

しかし、「十戒」と訳されている語の原義は「十の言葉」という意味です。新改訳聖書では、「彼は石の板に契約のことば、十のことばを書きしるした」(出エジプト記3428b)のように訳されています。

そもそも聖書における「十の言葉」十戒)を中心とした律法は、神の意志と義が表され、それに従って生きることを求めるものなのです。

さらにこの「十の言葉」を味わうことによって人間は、神の御前に己の罪深さを気づかされるのです。それによって初めて己の救いの必要を覚え、救い主イエス・キリストに向かうのです。

ここで大事なことは、7/13付けのメッセージ「十戒の前文」で記しましたように、「あなたをエジプトの国、奴隷の家から導き出した神である」(同20:3)とある通り、「十の言葉」は救われるための条件として提示されているのではなく、救いに与った者が、その恵みに応える生き方として提示されているのです。決して敬遠したくなる束縛的なものではなく、恵み豊かな神に応えるべく、わたしたちのあるべき生き方が示されているということを覚えていただければ、筆者として大きな喜びです。