今週のメッセージ2014.11.2

三浦光世氏召天の報に接し「愛」を想う

 

「それゆえ、信仰と、希望と、愛、この三つは、いつまでも残る。その中で最も大いなるものは、愛である。」(新約聖書・Tコリント13:13)

故三浦綾子氏の夫三浦光世氏が去る1030日の夜、敗血症のため、旭川市の病院で召天されたことを新聞報道で知った。享年90歳。妻綾子氏召天から15年後の同じ10月であった。

光世氏が、当時自宅で寝たきりの闘病生活を送っていた綾子氏と出会われたのは1955年。そして結婚は4年後の59年。綾子氏が一躍有名になった懸賞小説に「氷点」で当選されたのは64年。従って結婚当時は、まだ作家として世に出て脚光を浴びる以前のことであった。

その辺りのことを札幌在住の松本務という方のブログによると実に興味深い。松本さんは、光世氏が綾子氏に出会われてから、結果的に4年後の結婚となるわけだが、当初はいつ治るのか、いつ退院できるのか、そしていつ結婚できるのか、そうしたことが不透明な中で待ち続け、結婚に至らせた、それは一体何だったのか、ある時、直接光世氏に伺う機会を持てたとのこと。事前の予測としては、さぞかし好きで、愛していたのであろうと思いきや、ご本人曰く、好きなどといった感情は全くなかったとのこと。氏はその頃読んでいた聖書の中の、主がペトロに「あなたはわたしを愛するか」問う箇所から、愛するとはどういうことかと思い巡らしていた由。そんな中で神に促されて「この女性を愛そう」と決意。「愛せるよう、神よその愛をお与え下さい」と祈りつつ、待ち続けてのゴールインだったというのだ。光世氏曰く、「愛するとは感情ではない。そんなの長くは続かない。愛するというのは意志だ。」

そのようにして愛の絆で結ばれたお二人は、今や天におられる。