今週のメッセージ 2015.3.29

戦捷木

 

「その翌日、祭りに来ていた大勢の群衆は、イエスがエルサレムに来られると聞き、 なつめやしの枝を持って迎えに出た。そして、叫び続けた。『ホサナ。主の名によって来られる方に、祝福があるように、/イスラエルの王に。』イエスはろばの子を見つけて、お乗りになった。」(ヨハネ 121214a

 

本日は特別な呼称で呼ばれる数少ない主日(日曜日)――棕櫚の主日――です。そして来週はイースター(復活祭)です。

「棕櫚の主日」という呼称の由来を示しているのが冒頭の聖句です。「棕櫚」とはナツメヤシを指します。主イエスが最後のエルサレム入城をなさった折、群衆はこのナツメヤシ、即ち棕櫚の枝を振って歓迎したからです。

しかし、数日後には状況が変わり、同じ週の金曜日には主イエスは十字架刑に処せられることになるのです。そうした故事に因み、その週の初めの日、即ち本日を「棕櫚の主日」と呼ぶようになったというわけです。

この木は「戦捷(せんしょう)木」とも書かれます。「捷」の字は“勝つ”を意味し、従って「戦捷」とは “勝ち戦”のことです。

棕櫚の枝を打ち振って主イエスを大歓迎した群衆は、主イエスにローマから独立を勝ち取ってくれる政治的・武力的な勝利の王を期待していたのです。

しかし主イエスは、白馬に跨りさっそうと入城される政治的・武力的な王ではなく、ろばの子にお乗りになって入城されました。それは、ご自身が罪と死とサタンに対して勝利を勝ち取る“霊的な王”であることが象徴的に示されているのです。