今週のメッセージ 2015.5.17

永遠の住まいに迎え入れられるために

 

「そこで、わたしは言っておくが、不正にまみれた富で友達を作りなさい。そうしておけば、金がなくなったとき、あなたがたは永遠の住まいに迎え入れてもらえる。」(ルカ16:9)

冒頭の聖句は、ルカ福音書16章の初めに置かれている「『不正な管理人』のたとえ」において、語り手である主イエスが、聞き手(読み手)に対して語っておられる勧めの言葉です。

「不正にまみれた富で」が気になります。主が語られた「たとえ」の中には二人の人物が登場しています。ひとりは「ある金持ち」。もうひとりはその金持ちに仕えていた「管理人」。金持ちに、仕えている管理人が不正を働いて託されている財を無駄使いしていると告げ口する者があり、不正が明るみに出ることになります。そこで主人は、管理人に会計報告を命じるのです。すると管理人は、主人に借りのある者たちを呼び寄せ、証文の数字を少なく書き換える便宜をはかるのです。恩を売ることによって、自分が解雇された時に、自分を助けてくれる友を作るためでした。

たとえの話しがそこまで来ると、「主人は、この不正な管理人の抜け目のないやり方をほめた」(8節)という言葉が来るのです。読者は管理人の不正が肯定されているようで戸惑いを覚えます。続く「不正にまみれた富で友達を作りなさい」にも戸惑います。しかし、さらに続く「あなたがたは永遠の住まいに迎え入れてもらえる」の言葉で、話しが「永遠の住まいに迎え入れ」られる話しにスイッチされていることに気づくのです。そしてそのために「友だちを作る」ことの勧めであることを悟るのです。

「永遠の住まいに迎え入れられる」ための「友だち」とは、他ならぬ主イエスご自身のことです。