今週のメッセージ 2015.5.24

世の光

 

「見よ、わたしは戸口に立って、たたいている。だれかわたしの声を聞いて戸を開ける者があれば、わたしは中に入ってその者と共に食事をし、彼もまた、わたしと共に食事をするであろう。」(ヨハネ黙示録3:20)

ウィリアム・ホルマン・ハントといえば、当時(19世紀後半)、世界で最も有名なイギリスの宗教画家で、その代表作が表題に掲げた「世の光」と題した作品です。

表題を聞いただけではピンと来ない方でも、その下の聖句をモチーフとした作品といえば、画のイメージが浮かんで来ることと思います。

この画の特徴として、象徴的な事柄が描き込まれていることが知られていますが、その中で最も有名なのは、キリストがその前に立っているドアの外ノブがないことです。つまり外からは開けられないわけです。キリストはドアをノックしながら開けられるのを待っておられるわけです。

しかし、描き込まれている象徴的事柄はそれだけではありません。ドアの前のキリストの足元には雑草が生い茂っています。つまり、長い間、開けられた形跡がないというわけです。まだあります。雑草が生い茂った地面にはりんごが三つほど転がっています。エデンの園で最初の人アダムとエバが食べた「善悪の知識の木」の実を象徴しているとのことです。更にもう一つ、キリストが左手に下げている七面のランタンは、ヨハネ黙示録の最初に出て来るアジア州にあった「七つの教会」を表していわれます。

神に背を向けているわれら罪人に対し、キリストは実に忍耐強く心の扉をノックして、開かれるのを待っておられるお方なのです。ドアを開けてキリストを迎え入れる魂は実に幸いです!キリストが中に入って来られ、食事を共にして下さるのです!