今週のメッセージ201/08/23)

主イエスの恵みによって救われる


「わたしたちは、主イエスの恵みによって救われると信じているのですが、これは、彼ら異邦人も同じことです。」

(新約聖書・使徒言行録1511


 このところ新約聖書中の第五番目の書、『使徒言行録』を通し、その中心聖句、「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる」(18)に基づき、イエス・キリストの十字架と復活による救いの福音が、地の果てに向って伝えられる様子を見ています。

 全体が28章から成る『使徒言行録』ですが、内容的には第15章が分岐点となっています。というのは、冒頭に掲げた聖句が示すごとく、救いが、ユダヤ人、異邦人の違いを問わず、ただ主イエスの恵みによるということがキリスト教会の共通認識となったのがこの15章だからです。

 確かに福音がユダヤ人だけでなくユダヤ人と異邦人の混血であるサマリア人へ、さらに純然たる異邦人へと伝えられ、救いの恵みが拡大していきました。またパウロのように、主から異邦人へ福音を伝える使命を与えられた宣教者も生まれてきました。しかし救いに関し、割礼を受けなければ救われないと主張するユダヤ人、中でもファリサイ派からクリスチャンになった人達がいたのです。そこで、救いのために割礼は必要でないと主張するパウロ達と激しい対立と論争が生じたのです。しかし、その結果、すべての人は、ただ主イエスの十字架と復活の福音の恵みによって救われるということが、キリスト教会全体の共通認識となったのです。