今週のメッセージ201/11/08)

週の初めの日


「週の初めの日、わたしたちがパンを裂くために集まっていると、パウロは翌日出発する予定で人々に話をしたが、その話は夜中まで続いた。」

(新約聖書・使徒言行録207

前回(先週)は、使徒パウロの第3次伝道旅行におけるアジアのエフェソにおける働きについて記しました。その後、彼はエルサレム行き、さらにローマ行きを予定したのですが、エフェソでの暴動騒ぎやシリア州でのユダヤ人の陰謀のために、エルサレム行きのルート変更を余儀なくされ、途中のトロアスで起こった出来事を記す書き出しが冒頭に掲げたものです。

書き出しの「週の初めの日」は、日曜日を指し、「パンを裂く」は聖餐式のこと、またパウロの「話」は単なる話しではなく、説教のことです。従ってこの箇所はトロアスでの日曜日の礼拝での出来事を記しているのです。当時、日曜日はまだ休日ではりませんでした。従ってトロアスのクリスチャンたちは、1日の仕事を終えて夕方頃集まって礼拝を始めたのです。

一方、パウロの方も、翌日には出発の予定であり、トロアスのクリスチャンたちと会うのもこれが最後との思いがあったため、つい説教が長くなり、夜中まで(7節)、さらには夜明けまで(11節)話し続けることになってしまったのです。そうした中で、1日の仕事を終え、加えてパウロの説教が長くなってしまったため、エウティコという青年は、つい居眠りをしてしまい、そのため3階から落下、落命してしまったのです。しかし、神はパウロを通してエウティコ青年の生き返らせて下さったのです。

キリスト教会における「週の初めの日」の礼拝が、キリストの「週の初めの日」における復活を記念して始まったことを覚える時、このエウティコ青年の甦りの奇跡は、大いに意義深さを感じさせられる記事であります。