今週のメッセージ201/02/07)

主イエスの荒野の試練(1)


 「イエスはお答えになった。『「人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる」/と書いてある。』」(新約聖書・マタイ4:4)

 今でも時々思い出します。神学校時代のことです。毎週金曜日、実習を兼ねて、神学生主催で伝道集会が行われていました。集会に先立ち、近くの繁華街を歩きながらスピーカーで集会案内がなされました。ある八百屋さんの前を通ると、店員の男性から、「信仰でめしが食えるかよーっ」と罵声を浴びせられました。

 ところで冒頭の聖句は、主イエスが救い主としての働きを開始されるに先立ち、荒野で遭遇された試練を記す記事の中にあるものです。試練には、救い主としての働きのスタートの前に挫折させようという悪魔の攻撃、同時にそれを逆手に取った父なる神の御子に対する訓練の意味があったと考えられます。誘惑は三回にわたってなされたのですが、最初の誘惑に対する主イエスの応答が冒頭にあるものです。

 初回の誘惑は、四十日四十夜の断食で空腹を覚えていた主イエスに、悪魔は、「神の子なら、これらの石がパンになるように命じたらどうだ」(同3節)との誘いでした。そこには、お前は神の子なのだから、しようと思えば出来るだろう。このままだったら命を落とすぞ!石をパンに変えて、自力で危機を脱したらどうだという誘いがありました。それは同時にどう対処するかを試す御父のテストでもありました。

 主イエスの応答は、旧約聖書の申命記8:3のことばを引用しながら、サタンの誘いを退けるものでした。

 人はパンだけでなく、神の言で生きる者であることを覚えましょう!