今週のメッセージ201/02/21)

主イエスの荒野の試練(3)


 「更に、悪魔はイエスを非常に高い山に連れて行き、世のすべての国々とその繁栄ぶりを見せて、『もし、ひれ伏してわたしを拝むなら、これをみんな与えよう』と言った。」(新約聖書・マタイ4:8、9)

 引き続き今週も、主イエスが救い主としての働きを開始されるに先立ち、荒野で悪魔の妨害攻撃に遭遇された出来事について記します。

 攻撃も第3回目となりました。冒頭の聖句は、悪魔の誘いの言葉です。この世の栄華・繁栄を見せて、「もし、ひれ伏してわたしを拝むなら、これをみんな与えよう」と言うのです。即ち、全世界を支配下に置き、それを繁栄させるのがお前の使命だろう。ならば、ひれ伏してわたしを拝め。そうすれば、このすべてをお前に与えようというわけです。ここでも悪魔の主イエスの働きの焦点を十字架の犠牲から逸らそうという魂胆が潜んでいます。 

 それに対し、主イエスは三度、しかも同じく申命記の言葉を用いられたのです。「退け、サタン。『あなたの神である主を拝み、/ただ主に仕えよ』/と書いてある。」『』内の言葉は6:13に基づくものです。

 例え全世界を繁栄に導いたとしても、悪魔にひれ伏してのものでは、それは真の繁栄ではありません。同じマタイ福音書の16:26に次のような言葉があります。

  「人は、たとえ全世界を手に入れても、自分の命を失ったら、何の得があろうか。自分の命を買い戻すのに、どんな代価を支払えようか。」 

 真の救いは、主イエスの十字架の犠牲による罪と死からの贖いによる以外にありません。そしてこの救いは、この世のいかなる繁栄にも勝る永遠の命の救いなのです。