今週のメッセージ201/05/01)

聖書を読まれる方へ


 「これらのことについて証しをし、それを書いたのは、この弟子である。わたしたちは、彼の証しが真実であることを知っている。」

 (新約聖書・ヨハネによる福音書21:24)

 冒頭の言葉は新約聖書の4番目に置かれている『ヨハネによる福音書』の締め括りのことばです。この中に、初めて聖書を読まれる方に参考になることばがあると思い引用した次第です。

 一つは「証しが真実である」という言葉です。ここでは聖書が「証し」と表現されています。主イエス・キリストも、この書の中で、「聖書はわたしについて証しをするものだ」(5:39b)といわれています。一般的に聖書は道徳の書のように思われているようですが、聖書は救い主イエス・キリストについて証しをするものなのです。そしてその証しは真実です。真実こそ「証し」の命だからです。

 この「証し」といわれる聖書が、いわゆる一般的な意味の証しと決定的に異なる点があります。それは、同じく新約聖書中の『テモテへの手紙』に拠るならば、「聖書は、すべて神の霊感を受けて書かれたもの」です(3:16a)。聖書著者は、決して自分の信念・思想・信条などを記したものではなく、神の霊の導きの下に書かれたものです。従って、聖書の最後の書である『ヨハネの黙示録』の終わりのところに次のように記されています。即ち、「この書物の預言の言葉を聞くすべての者に、わたしは証しする。これに付け加える者があれば、神はこの書物に書いてある災いをその者に加えられる。また、この預言の書の言葉から何か取り去る者があれば、神は、この書物に書いてある命の木と聖なる都から、その者が受ける分を取り除かれる」(22:18,19)と。