今週のメッセージ201/06/05)

聖霊に従う


 すでに先月のこととなってしまいましたが、15日のその日に、キリスト教会の三大祝祭日の一つである「ペンテコステ(聖霊降臨日)」について記しました。その折、「キリストと違って聖霊は可視的でないことも一層わかりにくくしていると思いますが、実はこの方こそ、わたしたちの最も身近な存在の方なのです」と締め括りました。

 「ペンテコステ」については、新約聖書中の使徒言行録という書の2章に出ています。5章に至りますと、聖霊に従う具体的なありようが記されています。厳密にいうと、聖霊に従うことに失敗した出来事が記されているのです。

 それはアナニアとサフィラという夫妻のことについてです。

 この夫婦は、教会に献金するため、自分たちが所有していた土地を売却したのです。そこまではよかったのですが、その売却代金の一部を全額と偽って献金したのです。その偽りを看破した使徒ペトロは以下のように言ったのです。

 「『アナニア、なぜ、あなたはサタンに心を奪われ、聖霊を欺いて、土地の代金をごまかしたのか。・・・どうして、こんなことをする気になったのか。あなたは人間を欺いたのではなく、神を欺いたのだ。』この言葉を聞くと、アナニアは倒れて息が絶えた。」 

 二人の行為は、表面的に見ると、その献金を受理した人間を欺いたように見えます。しかし、それよりもむしろ、献金とするべく土地を売却したその時点で、その売却代金は神に献げられたものでした。従って、その一部を自分たちの所有としたことは、神のものを着服したことだったのです。その行為は聖霊を欺いた行為に他なりませんでした。