今週のメッセージ201/08/14)

迫害者サウロの回心

 

 「サウロが旅をしてダマスコに近づいたとき、突然、天からの光が彼の周りを照らした。サウロは地に倒れ、『サウル、サウル、なぜ、わたしを迫害するのか』と呼びかける声を聞いた。『主よ、あなたはどなたですか』と言うと、答えがあった。『わたしは、あなたが迫害しているイエスである。』」              (新約聖書・使徒言行録9:3〜5)

 冒頭の聖句は、激しいキリスト教迫害者であったサウロが、一転してキリスト教の伝道者へと変身する基となった出来事です。

 前に置かれた1〜3節には、「さて、サウロはなおも主の弟子たちを脅迫し、殺そうと意気込んで、大祭司のところへ行き、ダマスコの諸会堂あての手紙を求めた。それは、この道に従う者を見つけ出したら、男女を問わず縛り上げ、エルサレムに連行するためであった」とあります。

 ところが、同じ9章の20節では、「すぐあちこちの会堂で、『この人こそ神の子である』と、イエスのことを宣べ伝えた」と記されています。

 このサウロの身に起こった大変革の因を、ダマスコへ向かっていた途上での神秘体験といってしまえばそれまでですが、もう少し踏み込んで考えてみたいと思います。「『サウル、サウル、なぜ、わたしを迫害するのか』と呼びかける声を聞いた。『主よ、あなたはどなたですか』と言うと、答えがあった。『わたしは、あなたが迫害しているイエスである』」

 この天上のイエスと迫害者サウロとの遣り取りの中にすべてがあると言えるでしょう。サウロは、あの十字架で磔にされたイエスが今も生きておられ、しかも聖なる神のおられる天にいる。そしてクリスチャンやキリスト教会を迫害することはイエスを迫害することに他ならないのだということを悟ったのです。