今週のメッセージ201/08/21)

四つの福音書

 

 以前に同じ「四つの福音書」の主題で記したことがあります(2015.01.18)。しかし、その時とは異なった角度から書いてみましょう。

 新約聖書の最初に置かれている四つの福音書とは、順番に『マタイによる福音書』、『マルコによる福音書』、『ルカによる福音書』そして『ヨハネによる福音書』です。

 聖書を読み始めた高校生の頃、求道者なりに四番目の『ヨハネによる福音書』は前の三つとは違うなということはわかりました。しかし、先の三つは同じようなものではないかと暫くの間思っていました。

 ところが、その内に使徒言行録121,22の記述から、『マルコによる福音書』がいわゆるイエス・キリストの福音の原型的なものであることを知りました。また、この福音書が最も古く書かれたものであることもわかりました。

 『マタイによる福音書』は、最初にアブラハムから始まるイエス・キリストの系図が、前の旧約聖書との繋ぎの役割を果たしていること、『ルカによる福音書』はその続巻として使徒言行録を持つことにより、福音書の後に続くパウロ書簡等に繋いでいること、そして4番目の『ヨハネによる福音書』は、「初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった」(11)と書き出し、「言」を以ってマリアの胎から生まれる以前、即ち、永遠のはじめからおられたイエス・キリストの紹介から始めていることを知るに至りました。すると、共観福音書と呼ばれたりする最初の三つの福音書もそれぞれ必要欠くべからざるものであり、また、置かれている順序もこれでよいのだと理解できた次第でした。