今週のメッセージ201/10/02)

神の摂理(2)


 パウロは、当時の世界の三大学問都市、ローマ・キリキア州のタルソに生粋のユダヤ人として生まれました。従って彼は、当時の世界の最高の学問を身につけました。同時に彼は、すぐれたユダヤの律法指導者ガマリエルの門下生としても学び、ユダヤ人として最高の律法の素養も身につけました。

 当初、彼は激しいキリスト教に対する迫害者でした。その迫害ぶりは次のように記されています。

 「サウロはなおも主の弟子たちを脅迫し、殺そうと意気込んで、大祭司のところへ行き、ダマスコの諸会堂あての手紙を求めた。それは、この道に従う者を見つけ出したら、男女を問わず縛り上げ、エルサレムに連行するためであった。」(使徒言行録912

 しかし、次の34節では前回の冒頭に記した神の迫害者パウロに対することばがかけられるのです。

 「サウロは地に倒れ、『サウル、サウル、なぜ、わたしを迫害するのか』と呼びかける声を聞いた。『主よ、あなたはどなたですか』と言うと、答えがあった。『わたしは、あなたが迫害しているイエスである。』」(新約聖書・使徒言行録9:4、5)

 これが決定的な契機となって、彼は一転、キリスト教迫害者からキリスト教伝道者へと変身して行くのです。

 彼が、キリキアのタルソで生まれ育ったこと、また、律法学者ガマリエルの門下生であったことも、キリスト教伝道者になってからも大いに役立ちました。まさに神の摂理です!